こんにちは、千葉県習志野市京成大久保駅徒歩5分にあります、めぐわ整体院の牧野です。
O脚というと「膝が外に開いているから」と単純に捉えられがちですが、実際の臨床現場で見ていると、膝そのものに問題があるケースは少数派です。
O脚の多くは 足関節(距骨・踵骨のアライメント) と 骨盤・体幹の安定性 の崩れから生じています。
O脚の背景にある解剖学的メカニズム
1. 足関節の回内・回外
足首が過剰に内側へ倒れる(過回内)と、脛骨が内旋し、それに伴って大腿骨は外旋方向にねじられます。このねじれの結果、膝関節は外側へ開き、見た目としてO脚を形成します。
2. 骨盤の不安定性
体幹の支持が弱い、特に 腸腰筋や腹横筋の機能低下 があると、股関節が正しい位置に保持されず、大腿骨が外側へ逃げやすくなります。そのため、膝の内転筋群が過剰に緊張し、結果としてO脚を助長します。
3. 荷重ラインの偏位
膝関節は本来、大腿骨と脛骨の荷重ラインが一直線になることで安定します。O脚では、この荷重ラインが膝の外側へ移動するため、関節軟骨の摩耗リスクが高まり、将来的に変形性膝関節症につながる可能性が高いのです。
女性に多いO脚の臨床的リスク
• 膝関節痛・変形性膝関節症の早期発症
• 腰痛や股関節痛の合併
• 下肢の血流障害によるむくみや冷え
• 下半身の代謝低下による脂肪蓄積
つまりO脚は単なる「見た目の悩み」ではなく、放置すると中長期的に運動器疾患や生活の質の低下に直結します。
整体的アプローチとセルフケアの方向性
O脚改善のためには「膝を寄せる」ことよりも、まず 足首の安定化と体幹の再教育 が重要です。
① 足首のアライメント修正
椅子に座り、足の内外くるぶしを正面に向ける意識で足首を軽く調整します。距骨の位置を整えることで、脛骨のねじれが解消され、膝が自然と正しい方向に戻ります。
② 体幹の支持力回復
仰臥位でおへそを背骨方向に軽く引き込み、腹横筋を働かせるトレーニング。これにより、股関節の不安定性が改善し、大腿骨が外側へ逃げるのを防ぎます。
③ 膝の近接運動
立位で腹圧をかけながら、膝を軽く内側に引き寄せる。ポイントは「お腹の力で膝を寄せる」ことで、無理に膝を押しつける必要はありません。
O脚は足首の問題が多い
O脚の本質は「膝」ではなく、足首と体幹の協調不全 にあります。
そのため、膝だけを治そうとしても改善は限定的です。
解剖学的な理解に基づいて、足首のアライメントを整え、体幹の安定性を高めることで、膝は自然と正しい位置に収まっていきます。
O脚が気になる女性にとって、それは美脚だけでなく、将来的な関節疾患の予防にもつながります。
医学的な視点を持った整体的アプローチこそが、O脚改善の近道です。