こんにちは、千葉県習志野市京成大久保駅徒歩5分にあります、めぐわ整体院の牧野です。
乳ガンの手術や放射線治療を受けられた方から、「肩が痛くて上がらない」「腕が重くて日常生活に支障がある」とご相談いただくことがよくあります。
先週も60代の女性の患者様からご相談がありました。
これは乳がんの治療後の副作用としてよく見られるものですが、適切に理解してケアしていくことがとても大切ですよ。
なぜ肩が上がらなくなるのか?
乳ガンの手術では、リンパ節や周囲の組織にアプローチするために神経や筋肉に影響が出ることがあります。特に 長胸神経(ちょうきょうしんけい) が傷つくと、肩甲骨を前に支える前鋸筋(ぜんきょきん)が働きにくくなります。その結果、肩甲骨の動きが悪くなり、肩をスムーズに上げることができなくなってしまうのです。
また、放射線治療によって筋肉や関節の周囲が硬くなることもあります。
放射線はがん細胞を叩くだけでなく、周りの正常な細胞にも影響を与えるため、筋肉の柔軟性が落ちたり、皮膚や皮下組織が線維化(硬く縮むこと)を起こしてしまいます。
これにより、肩周りの動きがさらに制限されてしまうのです。
放置するとどうなる?
「そのうち動くようになるかな」と放置してしまうと、関節が固まってしまう「拘縮(こうしゅく)」を起こすリスクがあります。
拘縮が進むと、着替えや洗髪といった日常生活動作がどんどん不自由になってしまいます。
早い段階から出来る範囲でケアを始めることがとても大切です。
優しいセルフケア体操
無理のない範囲で、少しずつ肩や肩甲骨を動かしていきましょう。
1. 壁伝いスライド
壁に手をついて、指を少しずつ歩かせるように上に動かしていきます。痛みのない範囲で行いましょう。
2. タオルストレッチ
タオルの両端を持ち、背中の後ろに回して軽く上下に動かします。肩甲骨周りがじんわり緩んでいきます。
3. 肩甲骨寄せ運動
背筋を伸ばして、両方の肩甲骨を軽く寄せます。呼吸に合わせてゆっくり行いましょう。
どの体操も「痛みが出ない範囲」で行うことが大切です。
無理をせず、1日数分からで構いません。
乳ガンの手術や放射線治療後の肩の痛みや動かしづらさは、神経や筋肉、関節の複雑な影響によるものです。放置すると悪化してしまうリスクもありますが、適切なケアとリハビリで改善していく可能性は十分にあります。
当院としても、患者さん一人ひとりの体の状態を見ながら、安全に肩の動きを取り戻せるようお手伝いしています。
もし同じようなお悩みがあれば、「仕方ない」と思わず、ぜひ一度ご相談ください。